訴訟に対する取組みについて

当事務所では、依頼者の方々の信頼に応えるということは、すなわち多くの場面で、訴訟において結果を出すことと考えております。
 では、訴訟で結果を出すためにどうすべきか、ということになりますが、ここから先は、少し難しい話をします。

民事裁判の仕組み

 現実の裁判では、(少し古いかもしれませんが)「遠山の金さん」のように、全知全能な裁判官が何でもお見通しということはありません。裁判官の判断が恣意的にならないように、あらかじめ、この事実とこの事実があれば、この効果が発生するということが法律によって定められています。たとえば、民法709条では、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う」と規定されています。
 この場合の、「この事実」というのは、①「故意」や「過失」を推認させる事実、②他人の権利や利益の侵害行為、③「損害」、そして④権利や利益侵害行為と損害との因果関係(「よって」)が必要とされています。

法規を踏まえた裁判所の判断方法と当事者による証拠の提出

民事裁判の仕組み

 そして例えば、①「過失」をめぐっては、生じた結果を避けるためのどの程度の注意義務が課せられていたのかという類似事案の膨大な裁判例があり、これら類似事案と比較して、当該事案がどうなのか、過失を推認させる生の事実と、推認を妨げる生の事実を当事者双方が出し合うのです。
 ですから、裁判では、いかに裁判所の求めるこちらに有利な事実を、メリハリをつけて提出できるか、というのが勝負を分けることも少なくりません。当職が残念だと思う弁護士は、依頼者にとって有利な事実と不利な事実の検討が、十分に出来ていない先生です。性格の悪い当職は、相手の弁護士がこちらに有利な事実を提出してきた場合は、目ざとく見つけて悦んでこれを引用してしまいます。

多数派工作の重要性

 少し話が脱線しましたが、当事務所では、いかにして当該事件の鍵を握る第三者(そもそも裁判所は紛争当事者の言うことなど話半分でしか聞かないのです。)を味方に付けるかということを常々、依頼者の方々に申し上げております。特に、契約書などの書証が十分に手元にない場合、彼らが語る事実が重要です。
 たとえば、賃貸借を巡る紛争なら仲介業者、会社の支配権を巡る紛争ならば、僅か数%の株を所有している少数株主、後遺症が争われる専門訴訟ならば、主治医の先生の見解や認識が意味を持ってきます。

フットワークの軽さ

 そのため、当事務所では、これら第三者が当事務所に来ていただける場合は、可能な限り、その場で「陳述書」という事実経過の認識を要約した文書を作成し、証拠化することを心がけています。
 また、主治医の先生など現実に、事務所に来ることが難しい場合には、当職自らがPCを病院に持参し、その場で文書を作成したりもします。このような機動性は、当事務所のかなりの強みであると自負しております

裁判所が問題の事実があるかどうかわからない場合の当事者の負担

 また、我々の世界には、「立証責任」という言葉があります。これまで述べてきたように、双方に有利な事実を原告・被告が出し合っても、裁判所がたとえば「過失」を認めて良いのかどうか分からない場合に、「あんたが負けね」という不利益の負担を予め法律が決めているのです。先の民法709条の場合ですと、損害賠償を請求する側が、相手の「過失」を立証できない限り、負けてしまいます。
 そしてこの「立証責任」というのがどちらにあるのかというのを、常に意識することが、訴訟で結果を出すためにはとても重要です。粗っぽい言い方をすれば、こちらが立証責任を負っていない事実については、相手が出してくる証拠について、「信用性がない」と横やりを入れればこちらが勝てるのです。残念な先生は、この「立証責任」というものをあまり意識せずに、とにかく事実や証拠を出しまくるので、その中には相手側に有利に評価され得るものもあり、結果的に当職のような性格の悪い相手方弁護士に、その点を突かれて自滅してゆくのです。

当事務所のスタンス

当事務所のスタンス

 当事務所では、抽象的に「依頼者の方の利益のためにベストを尽くします」と宣言するのではなく、具体的な戦略をもって、証拠を入手・整理し、第三者を巻き込むという意味での多数派工作を行い、かつ担当裁判官の顔色を見ながら法律を武器に主張を展開してゆきます。
 最後に重要なことを1つ、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」というのは裁判でもとても重要です。
 つい力が入りすぎると、色々な事実を主張したくなるものですが、言い過ぎるとそれが真実性から離れてゆくということはしばしば起こり得ます。その意味で、時に加熱した依頼者のマインドを冷却するするのも弁護士としては大切な役割の1つと心得ております。

加藤法律事務所

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