遺産相続について

 戦前は家督相続といって長男が全てを相続する制度であったため、遺産をめぐる紛争があまり起きませんでした。しかしながら、それでは平等原則に反するということになり、遺産相続の制度が戦後、家族法で採用され、さらに近年、核家族化の影響もあり、兄弟姉妹間の関係が希薄になってきたため、相続財産をめぐる紛争は増加傾向にあるようです。
 当事務所では、非公開会社における株式評価の評価方法、宮崎という土地柄ゆえの農地の評価方法及び、被相続人財産の生前における使い込み等、評価や立証の難しい問題について積極的に取り組んでまいりました。
 また近時、遺留分(注:相続人の意思に関わらず、法定相続分の2分の1ないし3分の1に相当する財産を取得する制度です)に関する法改正が行われたため、もともと理論的な同分野について、各論点によっては、さらに従来の裁判例等の射程範囲を検討する必要もでてきました。弁護士ですら、調停等に際して誤った主張をすることもあるため、慎重に手続を進める必要があります。

離婚について

 離婚自体については、それほど理論的な問題は多くないと思います。破綻しているかどうかというのは、別居期間や財布の期間、没交渉の期間等を総合的の考慮して調停段階で合意に至らない場合に裁判所が訴訟手続にて判断します。有責配偶者(破綻原因を作出した者)からの離婚請求については、裁判所は慎重に判断します。
 問題が多いのは離婚そのものよりも、親権や財産分与等の、離婚に附帯する請求についてです。
 まず親権については、子が小さいうちは、特段の事情がない限り母親が優先するようです。
 これに対して、子供がある程度成長している場合は、子供自身の意思も尊重されるようになります。
 財産分与については、分与の対象とならない特有財産(例:親から貰った家など)の範囲や、財産の評価時期が問題となることが多く、このあたりは専門家の助言があった方がよいでしょう。
 慰謝料については、不貞行為自体の慰謝料と、夫婦関係の破綻原因となった慰謝料が区別され、後者の方が高額化します。不貞行為について相手方が争う場合も多く、証拠収集が勝負を決めます。
 調停成立後に、調停で決まった養育費を支払われない場合には、調停調書が確定判決と同じ効力をすることから、相手方の給料の差押等をすることができます。
 他方で、調停で決まった面会交流を、その後履行しないことを理由に、親権者変更を認める裁判所の判断も出てきています。
 このように調停で決まったことを、不誠実にも反故にしてしまうと、後々予想しなかった不利益が発生することから、調停成立までに後悔しないよう、法的な主張を固めておく必要があります。
 なお調停は、あくまで合意により成立するものであり、合意に至らない場合、訴訟ないし審判という次の手続に移行します。当事務所では調停委員が明らかにフェアな判断をしない場合には、依頼者に調停手続について早期に見切りを付けることをお薦めする場合があります。